謎の自信の正体(昔の自分も…)

自分が出来ていないことに気付いていない人は結構多いです。それはその人のセンスがないとか、才能がないとか、そういうことを言いたいのではありません。たまたま気付くきっかけがなかったり、見逃してたり、良い指導者に巡り合わなかったり、何らかの理由がある場合も多いかと思います。

気付くきっかけは様々です。例えばライブを聴きに行くことは音源を聴くよりも大事とよく言われますが、それは奏者の吹き方とか息遣いとか奏者同士のコミュニケーションとか、生音でしか感じられない音の成分など重要な情報が多く、その分気付くことも多いからです。ライブで感じた新しい気付きは、以後音源でも感じ取れるようになったりもします。

 

他にもセッションに参加したり、ライブをやったり、仲間と議論したり…もちろん黙々と練習することで得られる気付きもあると思います。

 

そして、それをお金で買うのがレッスンです!!!

 

生徒さんに現状で何が足りていないか、そしてまずどうやってそれに気付いてもらうか、これが指導者の重要な仕事です。例えば、「オーバートーンとかやってみたらどう?」くらいに言っても、その理由に説得力がなければ生徒さんは練習に身が入りません。

 

“素直な生徒は良い生徒” といった話を聞くことは多いですが、まず本当に説得力のある説明をしなければ、素直になれないのも無理はありません。

 

さてタイトルの話ですが、私は全然吹けていなかった学生時代の方が謎の自信があり、ガンガン吹きまくっていましたが、気付きを得るにつれて自分の実際の演奏能力を知り、謙虚になりました…。ではなぜ出来ていないことに気付けないのか。それはリズム感だったりピッチ感だったりするのですが、こういったところは、ただ言われるだけでは決して実感できません!(体験談!)特にリズム感やピッチ感の場合は、鍛えなければ身に付かないところだからです。

 

そんな人がレッスンに来た場合、指導者は、まず出来ていないことを実感させ、気付かせてあげる必要があります。それには工夫や理屈、そして対話が必要です。既存の練習法を強制するような指導は、教本を読むのと変わりません。

 

生徒さんの現状に必要な気付きを与える。これが指導者の重要な役割のひとつです。