アドリブが上達しない、という人は多いと思いますが、そういう人がイメージするアドリブとは、パーカーやコルトレーンなど一流のかっこいい演奏であることがほとんどです。はっきり言ってしまうと、最初からかっこいいアドリブをするのは無理です。物事には順番があります。
例えば曲(あるいはメトロノームなど)に合わせていい感じに手を叩く(テンポキープでなく打楽器的なイメージで)とかも立派なアドリブです。ちゃんとその場、その瞬間に自分で選んだ位置で完璧に手を叩くことが出来ますか?
手を叩くのは打点のみなので、次の段階では音価をつけてみましょう。音価とは音の長さです。どこまで伸ばして、どこで止めるか。ピッチは気にせず「タ~」などで歌います。テンポを感じながらどのリズムを出すか、自分で考えてアウトプットします。
ここから音量や発音、音色とかも気にしてみたら、それだけでもう音楽的になってきませんか?
コピーやフレーズ練習の先にあるものとして、そのコピーあるいはフレーズの感じでアドリブが出来るようになることを期待しているかもしれません。しかし例えばエチュードをやりこんでいるクラシック奏者がそのエチュードみたいなアドリブが出来るかと言えば、それはまた別の話ですよね。そういうことです。
どうしたらアドリブが上達するか。それは、本当の意味でのアドリブをし続けること。そして、自分が完璧にアドリブ出来るレベルから始めること。アドリブの初歩って案外こういうところからなんです。どれだけかっこいいアドリブも全てこの延長です。
ただ、もちろん初歩の初歩だけやっていてもなかなかカッコよくはなりません。そのためのコピーやフレーズ練習です。自発的なアドリブと先人達のアイデアをすり合わせながら、自分のアドリブを広げていくのです。
従来のアドリブの練習と併せて、自発的なアドリブ練習を、出来るところからやってみましょう。
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