サックスの奏法と言っても、演奏するために何か特別な動きをしなければいけないかと言えば意外とそうでもなく、日常生活で使っている筋肉や関節の動かし方と同じか、その延長、あるいは少しだけ発展させたものだったりします。
例えば姿勢は、楽器に合わせて変化させるものではなく、自然に立っている(あるいは座っている)状態に楽器を合わせるのが基本です。(猫背の人など、普段の姿勢が悪い人が楽器を吹くときだけ“良い姿勢”にしても、それはその人にとって自然ではないので不要な負荷がかかり上手く吹けないかもしれません。これは普段の姿勢が人の身体にとって不自然なので普段の姿勢から改善する必要がありそうです。)
では、自然な運指(フィンガリング)とはどのような状態でしょうか。
普段の手の指の動きで一番使うのは、握ったり開いたりすることではないでしょうか。
つまり、フィンガリングもこの延長で考えるのが自然です。
開いた状態からゆっくり握ってみましょう。第一関節、第二関節、第三関節がそれぞれ(多少順番あり)折り曲げられていくと思います。
ところがサックスのフィンガリングになった途端、ほぼ第三関節のみを動かしている人が見受けられます。もちろんそれで成功しているのなら良いのですが、それで違和感を覚えているような方は、今一度自然な動きから考えて発展させてみましょう。
手を開いた状態から、楽器ではなく、ただの筒を指の腹(あるいは指先)で掴むようなイメージから発展させてもいいかもしれません。
また、それぞれの指の神経が上手く独立していない段階では、その動きを手首の回転でフォローする傾向がありますが、それでは指の神経は上手く繋がりません。
ゆっくりから指が独立して動くように練習し、なるべく“自然”な状態を保ちつつ、延長、発展させていきましょう。
指のながさ、手の大きさ、その他身体の大きさは人それぞれ違うので、奏法は見た目で判断しにくいところがあります。自分にとっての自然な状態を自分で考えて試してみましょう。
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