初めから出来ていること。例えば大きな声を出せること。

呼吸や発音における筋肉の量や使い方など、サックスを始める前から人によって差があります。そして、意識しないでもある程度準備が整っている人ほど上達が早く、整っていない人は上達が遅れる場合があります。もし指導者が、サックスを始める前から“ある程度準備が整っていた人”だった場合、整っていない人の足りないところに気が付けない可能性もあります。

 

例えば大きな声を出せること。これは管楽器演奏においてかなりのステータスですが、出せる人の多くはどうやって出しているのか、どうすれば出せるようになるのか、上手く説明出来ないのではないでしょうか。

 

普段の呼吸と違い、声を出すときは声帯が震えるわけですが、そこで抵抗が生じます。抵抗に対して息を押し出す圧力を加えることによって振動が起こります。この圧力が弱いと、大きな声は出せません。

 

つまり、大きな声を出せる人は、この息の圧力を出す準備が整っているということです。

(私は声の専門家ではないので、もっと様々な要素があるとは思いますが割愛)

 

他にも、活舌が良い人、巻き舌が出来る人などは、管楽器演奏に必要なものがある程度備わっている人です。

 

これは、初めから“ある程度準備が整っていた人”以外は向いてないという話ではありません。

 

そうでない人は、まず鍛えるべき箇所があるということ。そして、指導者が“ある程度準備が整っていた人”だった場合、そうでない人の弱点に気が付かない可能性があるということです。

 

これを読んでいるあなたが学習者であれば、先生や身近な上手い人と、楽器の奏法などだけでなく、声や発音などでも自分との違いを比べてみて、自分の弱点を見つけ、改善を試みましょう。

 

これを読んでいるあなたが指導者であれば、自分が当たり前に出来ていたことと、自分には出来て学習者には出来ないことの、奏法以前の問題を見つけて改善策を講じましょう。