情報を更新すること~例えばリードの厚さ、腹式呼吸など

常識とは流動的なもので、最新の技術や発見などにより変化します。サックスの奏法や道具においてもそれは同じで、新しい知識が入ったり、今まで良しとされてきたものが間違いであることがわかったり、常識だったことが変わってきています。

 

例えば、リードの番手は小さいほど薄く、大きいほど厚いと表現することがあります。確かに私が中高生の頃はそれが浸透していたように思います。

 

しかし実際は、リードはその種類によって同じ形で製造され、できたものを硬さで分けたのがその番手となります。つまり、番手の違いは厚さではなく、硬さなのです。

 

もし厚さの違いを比べるのであれば、それはリードの種類(デザイン)の違いです。例えばバンドレン・トラディショナルはティップが薄く、ハートは厚いデザインです。バンドレンJavaはティップがトラディショナルよりやや厚く、ハートは薄いデザインです。

 

最近はこういった正しい知識をネット上などでもみかけるようになりましたが、まだまだ番手の違いを薄い・厚いで表している人は指導者でも少なくないようです。

 

腹式呼吸も、解剖学的に正しい呼吸が研究され、腹式呼吸という呼び方に疑問が生じています。肺は肋骨の内側にあり、それが息を吸って膨らむときに下っ腹を意図的に膨らませるのは不自然だからです。

 

狭いコミュニティー内の伝統、根拠に乏しい方法論など、科学・物理に反する教えが蔓延しているのが、残念ながら今日のサックス界の現状です。

 

学習者が自ら情報を集めるのはもちろん大事ですし、指導者なら尚更です。悪気なく間違いを教える指導者は少なくないように思います。

 

間違った知識は、上達の妨げになります。逆に、正しい知識を得ることは上達にプラスに作用します。

 

情報の更新はサックス上達の第一歩なのです。