リードは気まぐれ?

サックスだけでなく葦のリードを使う楽器でよく言われていることに、「リードは気まぐれ」があります。日によってリードの状態が変わり、吹き心地も変化するというものです。

 

リードは湿ったり乾いたりする過程で形状が少しずつ変化します。また葦に含まれる水溶性の糖分などが溶け出すことによってもリードの振動に影響があるようです。湿度によっても変化すると言われています。

 

ただし、余程ずさんな管理をしていない限り、急激に変化することは考えにくいです。なのに、昨日吹けたリードが今日は吹きにくいなんてことを経験した人は少なくないのではないでしょうか。

 

これは、リードの変化より、自分の感覚の変化の方が大きい可能性を示しています。自分が「いつも通り」と思っている姿勢や力加減は、実は環境や体調によって大きく変化します。

 

ではどうするか。「いつも通り」の感覚に頼らず、そのときの感覚に対応出来るようにします。

 

まず何も考えずに吹き、そのときのリードと自分の感覚を感じたら、そのときのコンディションと感覚をフィットさせます。発音の仕組みや必要なエネルギーなどを考えれば可能です。

 

気まぐれなのはリードよりも自分の感覚かもしれません。どちらにしろ、その気まぐれに振り回されない対応力を身に付けましょう。