アタックについて

サックスにおいてアタックは最も重要な要素のひとつです。強く発音しようとして破裂音のようになってしまうと品のない演奏になってしまいますし、それを恐れて弱く吹くとリズムの打点がはっきりせず、グルーヴが生まれなくなります。出だしでポンと出て、そのままの音量、音色で伸ばせるのが良いアタックと言えるでしょう。

 

アタックが上手くいかない原因は様々です。

 

・普段、必要以上に噛んでいる、あるいは下唇でリードを押し上げるような力が入ってしまっている場合。息が通りにくくなるので、アタックの瞬間だけ口周りの力を緩め、発音してから力を入れる。アタックだけ大きくなる。

 

・息の初速が遅い場合。弱い息で反応させるために噛んだり下唇でリードを押し上げる。音が出たら口周りの力を緩める。するとアタックがはっきりせずリズムが出ない演奏になる。

 

・上記二つを恐れ、顎に力を入れて固定する。抵抗感が強くなり息を押し出す力がより必要になる。特に無理をした場合は顎関節症の恐れも。

 

・下唇のクッションが効果的に働いておらずリードミスが出る。

 

他にも様々な症状があると思いますが、原因と発音の仕組みを知ることで改善が見込めます。

 

リードが振動するまでの物理的現象を知ること。下唇の役割を知ること。リードが振動することで生じる抵抗とその反発するエネルギーを受ける筋肉を知ること。

 

また正しいアタックは、シビアな点ではなく、物理的なイメージを持った上で訓練することで、いいアタックのポイントの幅を広げることが出来ます。

 

リズム、ピッチ、ダイナミクスなど音楽を決定付ける要素を担うアタック。疎かにしていませんか?